本郷キャンパス内のイチョウは安田講堂正門、図書館周辺、弥生地区に合計279本が植樹され、本郷地区キャンパス計画要綱で指定され、原則として伐採や移殖を行わない。

東京大学シンボルツリーの大イチョウは2本あり、工学部1号館前広場と農学部3号館前にある。

約2億6千年前より生きているイチョウは化石植物ともいわれる。植物園のほぼ中央にあるこの大イチョウから明治29年に平瀬作五郎が植物にも精子が存在することを発見した。この大発見に世界が驚愕した。

イチョウ雌花
雌花
イチョウ雄花
雄花

細胞の分裂により形成された精子は花粉管から自ら泳ぎ出て, 胚乳頂部の造卵器内に形成された卵と9月上旬に受精する。 この間, 受粉から受精までに約120日間を要する。

白亜紀末、6,600万年前に恐竜たちを絶滅させた隕石・火山・冷却化にも、イチョウは耐えぬいた。

その後、中国で生き延びていたイチョウの子孫を人が栽培し、朝鮮半島や日本に広まった。

1712年にドイツ人植物学者のエンゲルベルト・ケンペルが日本のイチョウについての研究を発表し、日本からヨーロッパに一本の苗木が送られた。

初めはオランダのユトレヒト市内にある植物園に植えられ、増殖された木がいまやヨーロッパ各地に広まって美しい欧州の並木街道をつくっている。